就業規則は机の中、鍵のかかる棚などに大事に保管している(またはそもそも就業規則はない)
就業規則は会社設立時につくったままで、法律が変わったとき以外、特に改訂していない(またはそもそも就業規則はない)
「懲戒規定」「休職規定」「服務規程」は自社用にカスタマイズしたわけではない(またはそもそも就業規則はない)
自社の「手当」について、内容、金額の根拠、どこに規定されているかすぐに全ては答えられない(またはそもそも就業規則はない)
就業規則(賃金規定)に規定している「手当」と、給与明細に記載している「手当」とは名称が一致しないものもある(またはそもそも就業規則はない)
「営業日誌」などの報告書にはあまり目を通さない(またはそのような書類はない)
「トラブル」や「ヒヤリハット報告」を社内で記録しておく仕組みはない
従業員とトラブルが発生した際、「アクセス禁止」にすべきデータ・メール・書類等が何か、分かっている
それぞれの社員の家族構成や家族の仕事などを知らない
従業員の家庭の悩みの相談を受けているような管理者はいない
【評価】
1~3
問題が起こった際の会社の防衛力は決して大きくはありません。運が良ければ、問題が起こっても問題が小さい間に解決できます。
4~5
問題が起こった際の会社の防衛力はきわめて虚弱です。就業規則も会社を守ってくれないでしょう。従業員側に弁護士がついた場合、会社の出費は大きくなると覚悟してください。
6~
会社の防御力は「全くなし」と言っても過言ではありません。従業員から何らかの請求が出た場合、従業員のいいなりにならざる得ない可能性が高いと覚悟しておいてください。
【解説】
「従業員から会社への金銭請求」「従業員の不正」というトラブルの発生は、今後も増加するでしょう。 また、「会社一番の従業員がライバル会社に転職」「顧客情報をもって別会社設立」なども、ここ数年でご相談が急増しています。 しかしいずれの場合でも、問題が発生してから大あわてで対策を考えてもできることはきわめて限定的です。 また、裁判に発展した場合でも、日本の法律、裁判がいかに「従業員に有利にできているか」を痛感されるでしょう。 しかし、たとえば、会社の建物に鍵をかけず、情報のセキュリティー対策をせず、保険すらかけない、という会社が窃盗被害や情報漏洩被害にあい、その後そのトラブルで倒産したとしても、「対策をしない会社が悪い!」と誰も同情してくれません。 では、あなたの会社が従業員とのトラブルに「防御策」を用意していなければ、どうでしょうか? まず、「会社を守るもの」として就業規則があります。 しかし、そもそも「会社を守る」ことを意識し工夫して就業規則をつくらなければ、最終的には就業規則は従業員の味方になってしまうと考えてもらってかまいません。 また、トラブルが発生したとき、「従業員の嘘」に反論する必要が生じることもあります。 しかし、裁判所は、従業員側に対しては「自分の手書きの日記」だけでも「証拠」として取り扱ってくれるのに対し、会社側に対してはそのような扱いはほとんどしてくれません。つまり、「適切な記録の有無」が会社の命運をにぎることも少なくないのです。 さらに、実はここでは詳しくいいませんが、トラブルの発生、拡大には「従業員の家族」や「従業員とその家族との人間関係」が重大な鍵であるケースもあります。特に「労災」の場合、家族情報をにぎっているかどうかで会社の立場が大きく変わってくる場面があるのです。つまり、「情報の把握」が非常に重要となります。 「情報の把握」という意味では、「問題拡大前に、問題を積極的に把握する」という「攻めの防御」も重要です。 それぞれの会社の実情にあった「防御策」が必ずあります。c
【お勧めの対策】
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